No.51

半導体組立工程におけるプラズマ洗浄技術の最前線

−ドライ洗浄の用途と有効性−

(株)日立ハイテクインスツルメンツ 福田正行

近年、半導体組立工程(後工程)を中心に、ドライ洗浄としてのプラズマ洗浄技術が大きな注目を浴びるようになってきた。パッケージ組立工程において、有機物汚染や酸化膜が大きな問題としてクローズアップされている。プラズマ洗浄技術をパッケージ工程に適切に組み込むことで、信頼性・歩留を大きく改善することが可能である。一方、環境問題対応として鉛フリー半田の使用が活発化して来ている。半田接合では一般にフラックスが用いられるが、このフラックスの洗浄も環境負荷から判断すれば、有機溶剤洗浄よりも水系洗浄、最終的にはドライ洗浄化へと進むのが理想的である。これらの対応にもプラズマ洗浄は非常に有効な技術と評価されてきている。

 ■目的

 1)ワイヤーボンディング・フリップチップボンディングの接合信頼性の向上(接合強度向上)

 2)樹脂封止・樹脂接合信頼性の向上(接合強度向上)

 3)樹脂(アンダーフィル等)充填性の向上(スピ−ドアップ、ボイドレス)

 4)半田濡れ性向上(ナマリフリー・フラックスレス化)

 5)ベアチップ後付けプロセス(高密度実装・Wet洗浄レス)

■メカニズムと用途

プラズマとは何か、プラズマの特性、応用例を紹介

2種類のプラズマ洗浄システム(PE、RIE方式)

  プラズマ洗浄には、洗浄のメカニズムとして物理的洗浄と化学的洗浄(表面改質)の2種類がある。前者をRIE方式、後者をPE方式と一般に呼び、おのおの洗浄効果に特色がある。

■有効性

プラズマ洗浄の効果を表面分析(オージェ分析)で評価

プラズマ処理後の経時変化分析

 3)ワイヤーボンディング強度の向上

 4)削れ量と洗浄面内の均一性評価

 5)ベアチップへのチヤージアップダメージ評価

■半導体組立工程におけるプラズマ洗浄プロセス

 1)一般的処理プロセス(当社のモデルSPC100を使用した場合の標準的プロセス)

 2)半導体組立工程における新規用途例

■ドライ洗浄としての他分野への応用展開

 1)真空プラズマ・大気圧プラズマ・UV/O3・Wet洗浄の有効性の比較

 2)他分野への応用展開

  @プラスチック等各種部品の表面改質例

  AWet洗浄との共存

極度にゴミを嫌うパッケージ等において、さらに清浄度を上げ、歩留りを改善する方法として、 Wet洗浄と併用する場合がある。

 

(これは、「第21回JICC洗浄技術セミナー(平成16年6月18日開催)」より、講師のご好意で作成頂きました“要旨”です。)

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