日本工業出版株ュ行の月刊誌「超音波TECHNO」2000年4月号より 潟lオス 化学品技術部 和田 寛 最初にレンズの材質と種類、およびレンズの製造工程を説明し、各加工工程とその洗浄工程を紹介する。 標準的な洗浄工程は、以下の通りである。 溶剤洗浄 超音波 | 界面活性剤洗浄 超音波 | すすぎ 超音波 | アルカリ洗浄 超音波 | すすぎ 超音波 | 水置換 超音波 | 溶剤ベーパー洗浄 上記洗浄工程の溶剤洗浄、溶剤ベーパーの工程で使われていた溶剤は、オゾン層破壊および発ガン性のため代替しなければならない。代替洗浄剤として、以下のようなものが考えられるが、問題点もある。 ・代替フロン溶剤(価格、安全性) ・炭化水素系溶剤(引火性、乾燥性) ・グリコ?ル系溶剤(引火性、乾燥性、価格) ・水溶性洗浄剤(洗浄力、乾燥性) また、洗浄することによるレンズの影響性として、青やけ、白やけ、潜傷がある。 装置、洗浄方法の課題としては次のようなものが考えられる。 ・現行の超音波洗浄の妥当性 ・リンス工程での効率化 ・ワーク治具の工夫 ・洗浄液の再生に関する装置対応 ・排水処理に対する対応 (記:北村 裕夫) 日本工業出版株ュ行の月刊誌「超音波TECHNO」2000年6月号より 島田理化工業梶@杉山敏久 磁気記録媒体の高密度化が進み、微細になったヘッドギャップの関係でディスク洗浄は0.01μm以上の微粒子を除去対象とする世界になってきている。そのためブラシスクラビングを主とする従来技術を超える新しい洗浄手法の導入が必要となっている。 島田理化工業では、これに対処するため二流体ジェットスクラバー技術を実用化した。純水とクリーンガス(N2またはエア)をジェットノズルで混合し、水滴(20?50μm)を音速程度の高速で洗浄面に衝突させる。個々の水滴が高速で衝突する際の強力な衝撃波、その衝突による基板の振動、衝突水滴が基板面上に押しつぶされてできる面方向へのジェット流等の作用で従来除去困難であったサブミクロンの微粒子の除去が可能となった。ガス供給僅か3?5kg/?で超音速の水滴を吐出するスーパーソニックノズルを開発した。 2.5インチディスクで採用されているガラス基板に適した技術である。ただし、直接二流体ジェットスクラビングを適用するのは有効でなく、ブラッシスクラビングを実施した面に続けて適用することによって高清浄面が得られる。 次に島田理化工業で製品化した磁気ディスク洗浄装置について紹介する。 25枚入りカセット2個をローディングし、中性洗剤液で浸漬超音波洗浄(104kHz)を3槽(4分タクト)で行う。次にカセットから1枚ずつ抜き出して、枚葉でブラッシスクラビングと二流体ジェットスクラビングを順次行い、カセットに収納する。さらに純水で浸漬メガソニック洗浄1槽 と純水オーバーフローリンス2槽を行い、スピン乾燥してアンロードする。 装置の大きさは長さ4850mm×奥行1550mm×高さ1700mmである。 顧客の要望によってスピン乾燥に替えてIPA蒸気乾燥にすることもできる。 最近、薬品や洗剤を使わないでオゾン純水や水素溶解純水といった機能水で洗浄する技術が注目されており、島田理化工業においても機能水を用いる洗浄装置の製品化に努力している。 (記:平塚 豊) 日本工業出版株ュ行の月刊誌「超音波TECHNO」2000年7月号より 栗田工業梶@森田 博志 ガス溶解方式による半導体・液晶基板の洗浄工程で注目されている機能水(水素水、オゾン水)について、解りやすく技術紹介して戴きました。この技術は、省資源・環境保全型洗浄として、今後が期待されるものです。 (1)水素ガス溶存機能水とは 超純水を脱気後、水素ガス1.6ppmを溶存させ、更にアンモニア1ppmを添加した機能水で、メガソニック洗浄により、基板表面のアルミナ・シリカ等の無機系微粒子を常温で、しかも10秒程度で除去し、高い洗浄性を発揮する技術である。一般の電解カソード水より優れているものである。 (2)水素ガス溶存機能水の洗浄メカニズム メガソニックによるミクロバブル効果と水素ラジカル効果により、基板表面から微粒子を剥離させ、更にアンモニア添加(PH=9)により、アルミナ表面を負に帯電させ、基板表面の負と反発させることで、再汚染防止することで洗浄効果を高めている。 (3) オゾン水とは 超純水を脱気した後、オゾンガス2?5ppm溶存させることで基板表面の有機物汚れを常温で、しかも30秒程度で除去できる機能水である。 (4) 機能水の特長 @ 常温で使用可能である。 A 使用薬剤量が大幅に低減できる。 B 環境にやさしい。 (5) 適用例 水素/アンモニア溶存機能水:RCA洗浄時のアルカリ洗浄(アンモニア/過酸化水素)の代替 酸性オゾン水:RCA洗浄時の酸洗浄(塩酸/過酸化水素)の代替 東陶器機梶@仙洞田典雄 東京大学藤島先生が提唱した、ホンダ・フジシマ効果といわれるもので、光触媒(酸化チタン)の光による酸化/還元作用で発生するスーパーオキサイドイオンによる有機物分解機能および水酸ラジカルによる超親水性膜形成機能を活用した新規技術である。 但し、光照射が絶対的条件となるため、室内では紫外線照射装置が必要であり、設備が大型となるため室内用では実用化が遅れている。 <用途展開例> @防曇:ガラス表面 A流適性:自動車ミラー B降雨によるセルフクリーニング:自動車ボディー C水洗易洗浄:ビル外壁、標識 D抗菌 E消臭 (記:内田 昌裕) |