******************************************** 日本産業洗浄協議会 メールマガジン 第37号 ******************************************** 第37号をお送り致します。 今回は、(1)リレー連載 洗浄今昔物語 ③ (2)シリーズ連載 : JICC会員各社の「イチオシ製品」のご紹介 (3)シリーズ連載 : 洗浄にかかわる用語解説 *このメールは、日本産業洗浄協議会の各種イベントでお預かりしたメールアドレス宛に お送りしています。不要な方は、末尾にてその旨ご返信下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ トピックス ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ (1)リレー連載 洗浄今昔物語 ③
無理や、無理やと言ってたら 喝! 年長者の私に当たった白羽の矢・・・・ 森合精機(株) 森合政輝(代表取締役) 〒674-0093 兵庫県明石市二見町南二見10番2 Tel:(078)944-0808(代) 2000年の秋、日本産業洗浄協議会(産洗協)の初代会長木下氏から「次の会長は君がやれ。」と 言われました。「私にはそんな大役、中小企業の社長にはできない!」と最初はお断りしました。 初代も2代目も三菱系の立派な会社の社長がやって欲しいと思っていました。「無理や、無理や」と 言ってなんとか木下氏から橋本氏に繋いで貰いましたが、「本命の君達洗浄機メーカーの君が地球 環境保護の一役を担う、産洗協を引っ張っていかなくてどうするのか!」と喝を入れられました。 そして、洗浄機メーカー理事会社の中で年長者の私に当たった白羽の矢を引き受けた次第です。
・産洗協の設立 オゾン層保護に関するモントリオール議定書によって、日本を 含む先進国は95年末でフロン・エタンの生産を全廃すること がきまっていました。ところが、わが国には、脱フロン脱エ タンの代替フロン洗浄機を普及させる為の受け皿となる業界 団体がありませんでした。そこで当時の通産省(現経済産業省) の指導下に設立されたのが日本産業洗浄協議会(産洗協)です。 1992年、通産省オゾン層保護対策室の要請で、東京に洗浄機メーカー5社が呼ばれました。 産洗協が出来る前の準備会です。洗浄機メーカーは中小企業が多く、先輩格の工業会で超音波工業会 にも洗浄機メーカーが居ました。そのメーカーさんにも入って貰って準備会を進めました。 JICOPオゾン層保護対策産業協議会から、現産洗協の小田切名誉理事、その上司の井利氏が音頭を取り、 その指導下で動いたのですが、資金問題になると、洗浄機メーカーは全国に20社か多く見ても30社で、 とても工業会を立ち上げられる状況ではありませんでした。洗浄剤メーカー、洗浄機の周辺機器メーカー も巻き込みました。そして、3つの異なる産業部門からなるユニークな団体が始まったわけです。 地球環境保護と言う大儀のもとに協議会が出来る事は、我々洗浄機メーカーの商売にとって追い風に なると信じました。これを機会に洗浄機の世間の認識が上がる絶好のチャンスと思いました。洗浄機と 言う機械は、当時工作機械の様に業界に認知されてなく、お客様にとって、「洗浄工程はお金に成ら ない、見積もり金額に書けないから機械が買えない。」と言われた業界でしたので。 でも、設立総会が一ヶ月後にせまっても会長が決まりませんでした。本当にハラハラしました。 業界団体の協議会ではあるが、経産省が世界に約束したオゾン層保護対策の受け皿に成る業界団体で、 産業界がフロン、エタンが使えなくなる事で混乱が起きなくなることなくスムースに代替フロン洗浄 機を普及させる活動を行う、そんな大義名分が冠にある協議会の会長ですから決めるのは大変でした。 そんな中、総会前の数週間だったか、三菱化工機の木下社長が就任されました。 総会の挨拶でも、米国モントリオール議定書締結会議の発表でも、堂々とした話しぶり、姿勢、 理事会の進行でも、大企業の社長さんのリーダーシップは半端じゃない、理事会の空気が違う。 これは何が違うのか、これはよく言う人格の違い、器の違い、そんなことを感じました。 ・プラザ合意と円高ショック 森合精機㈱は、零細の100%下請企業から始まりました。何とかしてメーカーとしての商品を創造 しなければと懸命に考えました。下請けをベースとしながらも、油圧エアーボール盤を開発し、 次に洗浄機と独自の商品を作り上げてきました。
プラザ合意の円高ショックの頃、トヨタ自動車の一個作り (カンバン)生産が始まっていました。ロット生産の時は組立て 前に大型の洗浄機でまとめ洗いをしていましたが、着々ライン (脱着の着)を追求して行くと、まとめ洗浄では品質面で問題が 出てきました。洗浄不備が多く発生してしまうのです。複雑に 加工された穴を洗う小型の洗浄機が必要でした。当時洗浄機を 探していましたが複雑な油圧制御バルブに見あった洗浄機が 見つからず、困って自社の生産技術で製作したのがきっかけでした。 油圧バルブは油穴の回路ポートである穴の交差加工が多く、加工ラインに多くの自動ボール盤が 必要で自社加工ライン内に採用、当然のこと販売も行うことにした。大手機械工具商社の株式会社 山善のどてらい市(どて市)で販売し、洗浄機の開発後もすぐに販売ルートに乗せる事はできた ものの、まったく売れませんでした。当時の開発設計担当の森合主税(実弟)は、「一般中小企業 では洗浄機械を使わず手で洗浄することが主流。」と説明する状況でした。世間に納得してもらう ようになるまで時間がかかりました。 木下会長は、「会長と言っても年一回の総会と通産省にご挨拶に同行する位で何もしなくて良い、 と言われてなったんだ。」と言っていました。ところがとてもとても、そんなことは噯にも出さず に活動されていました。協議会スタートのリーダーシップは、流石と感動したことを今も忘れません。 3代目の会長を引き継いだときの重圧を皆さんにも判ってもらえると思います。 ・それから20年 それから20年経って、産洗協も、オゾン層保護対策から、地球温暖化対策、VOC(揮発性 有機化合物)排出抑制など、化学物質の管理まで活動範囲が広がり、今や洗浄大学を主宰し、洗浄 技術の技術検定試験による等級別の資格認定まで出来る立派な協議会になりました事は本当に夢の ようです。 歴代の会長、理事、委員長、事務局、シニアアドバイザーと、沢山の方々の並々成らないご苦労が あったからこそ25年間継続、拡大発展できたものであり、心より感謝いたします。 (以上は、産業洗浄技術情報誌「産業洗浄No.19 2017年4月号」より) シリーズ:JICC会員各社の「イチオシ製品」のご紹介 【ユシロ化学工業 株式会社】 ユシロクリーナーPCW553の紹介
1.高洗浄力と低泡性の両立 特殊成分の配合により,高洗浄力と低泡性を両立し,スプレー洗浄に適しています。 (図1および図2) 2.高性能化によるロングライフの実現 前工程油やスラッジが混入しても洗浄性をはじめとする諸性能が低下しにくく,更液周期の 延長が期待できます。(図3) 3.鉄・非鉄金属に適用可能 鉄系材料に対する防食性に優れ,非鉄金属にも適用可能です。 4.コストダウン・エネルギー費の削減 洗浄性に優れ,低温時での泡立ちが少ないため,洗浄温度低下によるエネルギー費の削減に 貢献できます。 ユシロクリーナーPCW553の紹介(図)
図1 洗浄性
図2 消泡性 図3 ロングライフ化 図4 荷姿 【アクア化学 株式会社】 炭化水素系単槽式真空超音波洗浄機『テトラ』の紹介 『テトラ』はギリシャ語で「4つ」の意味を指します。 炭化水素洗浄に必要とされる4つの機能「真空超音波洗浄=エアポケット対策」、「真空蒸気 リンス=仕上げ精度の向上」、「真空乾燥=密着部品などの完全乾燥」、「真空蒸留再生=洗浄 剤純度維持」をオールインワンに仕上げました。 バスケットサイズは角型が400X300X200H、六角バレル型は対辺260X400Lでありながら、 本体サイズ1060×1800×1950Hとコンパクトな装置に仕上げています。 標準で炭酸ガス自動消火システム、可燃性ガス検知器まで搭載されており 初めて炭化水素洗浄 機を検討されるユーザーには安心と御満足頂けるものとしております。 実機による洗浄テストも随時受け付けておりますので お気軽にお声掛け下さい。
*今月号は、以上の2社をご紹介致しました。 順不同ですが、原稿を頂いた順に紹介をさせていただいております。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ シリーズ連載 洗浄にかかわる用語解説 (91.乾燥度測定装置 Dryness Tester 92.ヒートパイプ Heat Pipe) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 91.乾燥度測定装置 Dryness Tester 被洗浄物に乾燥できずに付着している水分量を求める装置。測定庫内に被洗浄物を投入し、庫内 の加熱により測定材を含有、付着する水分を蒸発・乾燥させ、水分の蒸発に伴って変化する容器内 の湿度変化をセンサで検出し、演算にて検出の湿度を水分量に換算して水分の重量を算出する。 ここで得られた水分量と被洗浄物の表面から単位面積当たりの水分付着量をg/cm2として産出が 可能で、このような計測装置がすでに製品化されている。 92. ヒートパイプ Heat Pipe 密閉したパイプの中に、特殊な循環装置と共に揮発性の液体(水、ナトリウム、カリウム、フロン などに)を封入し、熱の伝導性を非常に良くしたもので熱交換器に使われている。ヒートパイプの 一部が加熱されると、(1)加熱部で作動液が蒸発(蒸発潜熱の吸収)(2)低温部に蒸気が移動 蒸気が低温部で凝縮(蒸発潜熱の放出)(4)凝縮した液が毛細管現象で加熱部に還流という 一連の相変化が連続的に生じ、熱が素早く移動する。排熱回収や電子部品の冷却などに応用されて いる。 (以上は、産業洗浄技術情報誌「産業洗浄No.12 2013年8月」より抜粋) ********************************************* 最後までご覧いただきありがとうございました。今後ともご愛顧のほどよろしくお願い致します。 ▼≪配信停止≫をご希望の方は、お手数ですが以下をクリックし、その旨ご記入いただき送信下さい。▼ sskjicca@jicc.org ▽お送りしたこのメールは、送信専用ですのでこちらには、返信しないで下さい。▽ 日本産業洗浄協議会(JICC)事務局 Japan Industrial Conference on Cleaning 住所:〒105-0011 東京都港区芝公園1-3-5 バルコ御成門6F 電話:03-5777-0791 FAX:03-5777-0675 URL : http://www.jicc.org/ *********************************************