日本産業洗浄協議会

メニュー

HOME > 洗浄技術情報バックナンバー > 定期出版書籍「洗浄技術」バックナンバー > 「洗浄技術10号」表紙と目次 > 「産業洗浄10号」技術論文のサマリー

「洗浄技術10号」技術論文のサマリー 第10号
特集 明日の産業を支える新洗浄技術 New Cleaning Technology Today and Tomorrow

技術論文

最新の超音波洗浄技術
Recent Ultrasonic Cleaning Technology
  • 独立行政法人産業技術総合研究所 先進製造プロセス研究部門 主任研究員 理学博士
  • 安井 久一 Ysui Kyuichi

 超音波洗浄は主として、キャビテーション気泡の膨張、収縮に伴う物理作用、とくに気泡が固体表面近傍で潰れる際に、気泡を貫通して固体表面に打ち付ける液体ジェット、あるいは、気泡が潰れた際に液体中に放射する衝撃波の作用によると考えられている。これは、洗浄作用と同時に、洗浄物へのダメージも与えうることを意味している。本稿では、ダメージのない洗浄を実現するための最近の研究動向を紹介する。

液体物理洗浄の概要と水蒸気二流体ジェットでの適用例
A Brief Overview of Fluid Physical Cleaning and Examples of the Application by Steam and Water mixed Spray
  • 静岡大学工学部 機械工学科 准教授
  • 真田 俊之 Sanada Toshiyuki

 半導体デバイスの微細化やさまざまな新規材料の開発、さらに洗浄剤への環境規制の導入により、従来それほど着目されなかった物理洗浄という技術が、積極的に利用されるようになってきている。一方で物理洗浄によって、表面でのダメージが発生するなど、多数の失敗例も報告されている。この物理洗浄においてはプロセスウィンドウという考え方が重要である。本稿では、その考え方と実際の適用例について紹介する。

超臨界二酸化炭素による脱臭用フィルタの再生技術
Re-use Technology of Industrial Deodorization Filter by Supercritical CO2 Cleaning
  • 独立行政法人産業技術総合研究所コンパクト化学システム研究センター主任研究員博士(環境科学)
  • 川崎 慎一郎 Kawasaki Shin-ichiro

 ドラフトチャンバ排気系統におけるVOC対策として使用された、脱臭用エアフィルタの再生について報告する。超臨界CO2でフィルタを再生・再利用することにより、保守コストを抑えながら高い脱臭性能を維持することができる。洗浄に使用したCO2は循環精製して再利用するため、新たなCO2発生もなく、低環境負荷型リサイクルを実現できる。

レーザークリーニング:極短パルスレーザー照射によるシリコン表面付着パーティクルの除去
Laser Cleaning:Removal of Particles Adhering on Silicon Surfaces by Femtosecond Laser Beam Irradiation
  • 服部コンサルティング・インターナショナル 代表 ECSフェロー 工学博士
  • 服部 毅 Hattori Takeshi

 レーザー光で物質表面を清浄化するレーザークリーニング法をシリコンウェーハ表面に付着したパーティクルの除去に適用した。レーザーフルエンスを上げると除去率も上がるが、基板は熱損傷を受けやすくなる。しかし、極短(フェムト秒)パルスレーザーを用いれば、低いフルエンスで基板に熱損傷を与えずに高い除去率を得ることができる。最後に、レーザー・ショックウェーブ・クリーニングについても紹介する。

電解水を活用した衣類の洗浄
Washing of Clothes by Utilizing Electrolyzed Water
  • 富山国際大学 現代社会学部 環境デザイン専攻 教授 学術博士
  • 尾畑 納子 Obata Noriko

 健康で快適な衣生活を営むためには衣類の洗浄は極めて重要であるが、清潔志向の高まりと共に洗濯頻度も増加し環境への影響が深刻になっている。そこで、洗浄剤による水環境への付加を軽減するにはさらなる減量化が必要であることから、本研究では水自身に何らかの機能を持たせた機能水としてアルカリ電解陰極水を用い、ソフトで複雑な基質である衣類の洗浄を試み、洗浄剤としての機能を有する水溶液であることを確認した。ここでは種々の洗浄条件下でのアルカリ電解陰極水の性能について紹介する。



ページのトップへ戻る