技術論文
Application of The Spin Drying Method for Machining Parts
- 森合精機株式会社 装置事業部 開発課 課長
- 松村 繁廣 Matsumura Shigehiro
産業界ではさまざまな分野で省エネルギーの取り組みがなされており、自動車産業が主力ユーザーである産業用部品洗浄の分野でも洗浄機のエネルギー消費の削減が必須である。本稿では水系部品洗浄機のエネルギー消費量の試算を行うとともに、機械加工部品の洗浄後の水切り乾燥法として、エネルギー削減効果のある遠心力を利用したスピン乾燥法について紹介する。
50% Saving Energy, Next Generation Vaccum Cleaning Machine
- 株式会社IHI 機械システム 真空新素材炉事業部 技監
- 平本 昇 Hiramoto Noboru
省エネルギーで50% 削減達成の新しい炭化水素系真空洗浄機を紹介する。2 つの卓越した新技術であるヒートポンプ熱回収システムと「クライオ乾燥システム」で、電力消費量だけでなく洗浄溶剤消費量も50% 削減となる。地球温暖化防止はもとより生産コスト削減にも大きく貢献する産業洗浄の新技術を紹介する。
Practical Method of Microbubble Usage in Industrial Cleaning
- 関西オートメ機器株式会社 環境制御部 課長
- 神原 惠一 Kanbara Keiichi
マイクロバブルを洗浄に利用しようという試みはすでに多くなされ、一部では実用化が進んでいる。しかし、マイクロバブル洗浄は産業洗浄において、まだまだ新しい手法であり確立されていない。本稿では、当社が行ってきたマイクロバブル洗浄の経験や得られたデータをもとに、その洗浄原理や適切な使用方法、使用時における課題点など実施例を交えて解説する。
Increment of Electrolyzed Water Cleaning System in Southeast Asia
- 髙橋金属タイランド株式会社 Managing Director
- 服部 嘉宏 Hattori Yoshihiro
薬品を使用しない、人と環境にやさしい電解イオン水洗浄は、日本国内のみならず、海外の工場においても導入されるケースが年々増えてきている。東南アジアを中心に、工業洗浄を取り巻く現地事情を紹介するとともに、基本的な改善の考え方、洗浄機検討のステップ、そして電解イオン水洗浄システムを解説し、さらに現地事情に合わせた省エネルギー型洗浄の今後の方向性を示す。
Development of Water-Soluble Cleaning Agent for Saving Electric Energy
- 株式会社ネオス 中央研究所化学品技術部 部長 博士(工学)
- 山本 修太郎 Yamamoto Syutaro
自動車、建設機械、産業機器の金属加工部品の洗浄剤、洗浄システムにおいても、省エネルギー・省資源の要求が高まっている。今回は、省電力化に貢献できる水溶性スプレー洗浄剤を中心に紹介する。水溶性スプレー洗浄剤の開発におけるキーワードは「洗浄温度の低温化」と「乾燥促進」である。「乾燥促進」の機構は、短時間で接触角を低下させ、液滴と洗浄物との接触面積を広げて、蒸発乾燥を促進させるものである。この技術を応用し、「乾燥促進」のみを追求した乾燥促進剤についても併せて紹介する。
Long Life Cleaning System by Using Microbe
- メルテックス株式会社 技術開発部 応用技術課 主任技術員
- 岩澤 裕之雄 Iwasawa Hiroyuki
本稿で紹介する水系脱脂システムでは、稼働浴中に微生物を繁殖させ、徐々に蓄積する油をその微生物により分解させる。これにより、脱脂浴の浴老化(つまり油の蓄積)が進まなくなり、環境負荷物質である廃液・廃油が大幅に削減できる上、半永久的に更新の必要がなくなる。このシステムのポイントは、微生物が繁殖できる環境で最大限の脱脂力を実現したことにあり、本文でその効能などを詳細に説明する。