• ファインマシーンカタオカ株式会社　設計部　係長
• 杉浦 智和　Sugiura Tomokazu

 当社は、主として水系洗浄装置を製造・販売しているメーカーである。 近年、お客様の要求事項として洗浄・乾燥精度に加え、省スペース化、自動化、作業環境改善、安全性 向上などがあげられる。今回、紹介するカプセル式装置はさまざまな要求事項を柔軟に対応できる画期 的な洗浄装置である。

• 株式会社クリンビー 代表取締役 社 長
• 岡村 和彦 Okamura Kazuhiko

 『HEARVY』は、当社の炭化水素系洗浄剤を使用するワンバス式真空洗浄乾燥機『CLOVA』を進化 させた新型のワンバス式洗浄機である。『CLOVA』は、被洗浄物を収紊したバスケットを上から出し 入れするのに対し、『HEARVY』の特長は、正面から出し入れできるようにし作業性が向上したこと、 バスケットの上からのシャワー洗浄が可能になり洗浄性能が向上したこと、さらにユーザーが洗浄方 法、洗浄工程を選択可能としたため被洗浄物の材質や形状、付着物、また予算によって洗浄システムを 構築できることである。

• 並木精密宝石株式会社　NJC 技術研究所 開発マーケティング　マネージャー
• 坂本 昌隆 Sakamoto Masataka
• 開発マーケティング　チーフ
• 青田 奈津子 Aota Natsuko
• 開発マーケティング
• 石田 悠宗 Ishida Yuso
• NJC 技術研究所　所長
• 會田 英雄 Aida Hideo

 小径基板の洗浄乾燥において一般的によく用いられる手法として、ビーカーワークによる溶液洗浄、 リンス、およびエアーブロー乾燥方式がある。サファイア基板を例にあげると、溶液洗浄はビーカー ワークでも効果が得られるものの、仕上げ洗浄における純水枚葉洗浄およびスピン乾燥には、マニュア ル操作によるパーティクルの再付着を避けるためにも、専用装置を用いるのが望ましい。そこで、小径 基板を高清浄度に洗浄乾燥できる偏心機構を備えた洗浄装置を開発した。本装置によるデバイス形成プ ロセスへの影響を検証することで、その高い洗浄能力を実証し、さらに乾燥前の水滴形成位置を制御す る独自機構を備えることで、偏心乾燥するだけでは高清浄度乾燥ができない基板に対しても、その解決 策の検討を行った。これらの一連の開発により実現した小径基板専用の小型洗浄機Ecclear を紹介する。

• ジャパン・フィールド株式会社 取締役 営業技術部長
• 泉田 義彦 Izumida Yoshihiko

 グリーンベーパー洗浄機は低沸点溶剤（塩素系洗浄剤、フッ素系洗浄剤、アルコール系洗浄剤）を使 用する常圧蒸気洗浄機である。装置本体は低価格でコンパクト、高価な溶剤の消耗を最小化する特殊構 造を有しており、部品などの最終の仕上げ洗浄に最適である。装置の高さを1000ｍｍ以下と低くし コンパクトな蒸気洗浄機であるが、洗浄能力・乾燥能力は、これまでの炭化水素系洗浄機と比較しても 遜色無く、しかも真空排気機構を持たないため、装置は低価格で提供することが可能となった。フリー ボードが従来の２?近あり冷却ゾーンの中で蒸気洗浄から乾燥まで完了出来ることを特徴とする、画期 的な蒸気洗浄機である。

• 森合精機株式会社 装置事業部　開発課 課長
• 松村 繁廣 Matsumura Shigehiro

 本器は、高精細なカメラ光学機器・画像処理計測の先進技術を駆使した異物自動測定器である。洗浄 後の部品などから採取した微細な残留異物を同一測定ステージで多面的かつ定量的な測定評価を短時間 で行える特長を備えている。機能部品の洗浄清浄度の維持・向上は最終製品の性能を大きく左右するも のである。したがってこれまでの拡大鏡などによる人の目視判別に替わり、ひとつの異物も見逃さない これら部品の清浄度をより高いレベルで測定評価する異物自動測定器である。

• 荒川化学工業株式会社 研究開発本部　機能性材料事業　研究員
• 井内 洋介　Iuchi Yosuke

 現在、市場に流通する産業用洗浄剤は、水系洗浄剤（水・準水系など）、非水系洗浄剤（炭化水素・ハ ロゲン系など）の2 種類に大別される。これらは互いに相反する性質を有しており、前者の安全性と後 者の利便性を両立させることは困難と考えられてきた。当社では、そのトレードオフを解消すべく、新規 洗浄剤の研究に取り組み、一液型水系洗浄剤『パインアルファST-251EVA』を開発した。本稿では、 フラックス洗浄に重点を置き、本製品の概要について述べる。

• JX エネルギー株式会社 機能化学品カンパニー 工業用洗浄剤事業ユニット 工業用洗浄剤事業グループ 担当マネージャー
• 山内 辰也 Yamauchi Tatsuya

 NS クリーンM タイプは、炭化水素に水と特殊界面活性剤を配合したマイクロエマルション洗浄剤 で、水性汚れ、油性汚れ、微粒子の汚れなど多様な汚れに対応できる新タイプの洗浄剤である。従来、 金属部品の洗浄では汚れの種類に応じた洗浄剤の選定が必要であったが、NS クリーンM タイプでは 汚れの特定や洗浄前の加工部品の分別の必要がなく、洗浄工程を簡素化できる。

• 東ソー株式会社 有機化成品事業部 環境薬剤部 洗浄剤開発技術統括リーダー
• 岸　重美 Kishi asami

 今回、産業洗浄優秀新製品賞を受賞したノンハロゲン非引火性洗浄剤「HA-IS16《は、水から油ま でのさまざまな汚れを溶解除去でき、一液で洗浄から乾燥まで実施することが可能で、ハロゲン化物を 使用せずに水を添加することにより引火点を消失させた洗浄剤である。今まで存在した工業用洗浄剤の カテゴリーおよび異なる性能と機能を持つため、さまざまな産業分野において幅広く使用することがで きる。

• 株式会社ネオス 中央研究所 技術開発部 化学品技術課
• 山本　敬 Yamamoto Takashi

 近年、企業においても、これまでの『品質の向上』および『生産性の向上』に加えて、地球環境に配 慮した活動を重視するようになっており、『電力使用量削減（省エネルギー）』への要求が高まっている。 今回、洗浄剤として生産現場の「電力使用量の削減《に貢献できる水溶性スプレー洗浄剤を開発した。 洗浄温度を低温化させることによって電力量削減が図れるが、本稿では洗浄温度の低温化にともなう課 題を克?し、さらに、ぬれ性を向上させることにより乾燥速度を促進させる特徴を付与したノンリンス タイプ洗浄剤である『デタージェント 4500LA』を紹介する。

• オルガノ株式会社 開発センター
• 林　佳史 Hayashi Yoshifumi

 当社は最先端半導体製造プロセスに対応する超純水製造技術として、超純水中に含まれる酸化性物質 を1μｇ/?以下のレベルまで高効率に除去することが可能な触媒『オルデトックス』を開発した。本 触媒は独自開発したモノリス状多孔質イオン交換体に、触媒作用をもつ金属を担持させているため、超 純水製造工程で発生し、製造工程で悪影響を及ぼす過酸化水素を従来の触媒と比較して10 ?以上の高 速処理が可能である。洗浄水として多用される超純水中から本触媒を用いて酸化性物質を除去すること により、半導体製造プロセスの歩留まり改善、半導体微細加工への適用が期待できる。