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「洗浄技術18号」技術論文のサマリー 第18号 特集
表面処理と洗浄 Surface Treatment and Cleaning

技術論文

めっき前処理における脱脂洗浄技術
Degreasing cleaning technique in the plating pre-treatment process
  • ユケン工業株式会社 技術部 商品開発課 主任
  • 山本 秀之 Yamamoto Hideyuki

 めっき処理は素材特性を損ねることなく、表面改質を行う事が出来る優れた表面処理技術と考える。ただし、素材形状の複雑化や、加工油の変遷に伴い、素材に付着している汚れは多様化が進んでいる。本稿ではめっき前処理における脱脂についての注意点、洗浄液の管理方法について紹介する。

アルミニウムの表面処理における前処理
Pre-treatment in the surface treatment of Aluminum
  • 奥野製薬工業株式会社 表面技術研究部 第四研究室 室長
  • 原 健二 Hara Kenji

 軽金属の代表であるアルミニウムは、強度、加工性、熱伝導率、光反射率、電気伝導性に優れるなどの特長を有する金属であり、陽極酸化、めっき、化成処理などの表面処理を施すことが可能である。工業的には建材、車両、家電製品など幅広い分野で利用されている。本稿ではアルミニウムの表面処理には不可欠な技術である前処理(脱脂、エッチング、研磨)について紹介する。

アルミニウム圧延材における洗浄
Degreasing Process for Rolled Aluminum Products
  • 株式会社神戸製鋼所 アルミ・銅事業部門 真岡製造所 アルミ板研究部 表面機能材研究室長 博士(工学)
  • 服部伸郎 Hattori Nobuo

 自動車や鉄道車輌など輸送機の軽量化に欠かせない素材として、今アルミニウムが注目されている。本報ではアルミニウム圧延材における洗浄技術を解説する。まずアルミニウム圧延材の製造工程概要を記し、脱脂・洗浄を含む表面処理の工程フローと設備概要を述べる。またアルミニウム圧延材の表面特性に脱脂・洗浄条件が影響する実例として、塗装後耐食性・接着特性・水ぬれ性・表面反応性への影響を取り上げた報告事例を紹介する。

マグネシウム合金の表面処理と洗浄
Surface treatment for magnesium alloy and cleaning
  • 広島工業大学 工学部 機械システム工学科 教授 博士(工学)
  • 日野 実 HINO Makoto

 電気化学的に卑なマグネシウムは、活性で腐食しやすく、現在、この乏しい耐食性がマグネシウム部材の広範囲な適用への障害となっている。本稿では、マグネシウム合金の耐食性を向上させる表面処理および表面処理の性能に大きく関わる脱脂や酸洗などの前処理について紹介する。

塗装前処理における脱脂工程の役割とその影響
The influence and role of degreasing step in the surface preparation for paint.
  • 日本パーカライジング株式会社 総合技術研究所 第二研究センター 主事
  • 小崎 匠 Kozaki Takumi

 塗装前処理工程における脱脂工程は、油分や金属粉などのゴミ・ブツを洗浄除去し、表面を清浄化している。脱脂工程やその後の化成処理工程などの塗装前処理は塗装製品の品質を決定づける重要な工程となっている。脱脂工程による塗装前処理の他工程への影響として、脱脂不良、発泡、化成反応の妨害、塗装仕上がり不良などがあり、これらを未然に防ぐためには十分な品質管理が必要である。また、近年では緻密化・高精度化した化成処理に合わせ、より高度な洗浄性が求められるようになってきている。

大気圧プラズマ/微細液滴複合法による金属ニッケル合成と無電解ニッケルめっきへの応用
Synthesis of Metallic Material by Atmospheric Plasma / Micro Droplet Combined Method and Application to Electroless Plating.
  • 山本亮一技術士事務所 代表 博士(理学)、技術士(応用理学)
  • 山本 亮一 Yamamoto Ryoichi

 大気圧プラズマ(AP)/微細液滴複合法を開発し、塩化Ni水溶液を出発原料として金属にまで還元されたNiを合成することに成功した。さらに、これを開始触媒として無電解Niめっき皮膜が成長することを示した。APは既に材料表面の洗浄や改質のドライ処理に実用化されているが、本技術を応用すれば無電解めっきにおける一連の前処理を完全ドライ化するという革新的技術が可能となる。APは、表面処理のみならず物質合成の分野においても、今後さまざまな応用が期待される。



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