技術論文
Talking-points of Evaluation Technique on Industrial Cleaning
- 日本産業洗浄協議会 シニアアドバイザー
- 平塚 豊 Hiratsuka Yutaka
精密、微細な加工や処理で欠陥の原因となる種々の汚れを除去する洗浄が、目的を達することができたかを確認する手段が洗浄評価である。許容される残存汚れの量を実作業から明らかにし、その要求清浄度が実現できているかを証明する役割がある。種々の洗浄要素の汚れ除去能力の評価データから、最適洗浄プロセスを構築するのにも役立つ。汚れの種類や残存量の程度にあった分析方法が種々用意されているが、適用上の留意点を指摘した。また製品の進歩に遅れないようトレンドを読み、必要となる分析技術の研究開発が要望される。
Evaluation Cleaned Silicon Wafer Surface of Analysis of Cleaning Bath
- 分析工房株式会社 研究主幹
- 籔本 周邦 Yabumoto Norikuniki
洗浄部品の清浄度を評価することの重要性は言うを待たず、本誌においても既に広範な解説が報告されている。ここでは、著者が経験したシリコンウェーハとその洗浄槽を物理的あるいは化学的に分析する技術を中心に紹介することとする。
Analysis of Organic Trace Impurity
- 株式会社東レリサーチセンター 有機分析化学研究部 部長
- 荻野 純一 Ogino Junichi
洗浄プロセスを改善していくためには、洗浄の効果が正しく評価され、その結果がフィードバックされることが必須である。ここでは汎用的な評価法では測定困難な微量有機汚染の分析法として、表面分析の各種手法や、表面の溶媒洗浄/濃縮と最新の質量分析、発生ガス分析などについて、実際の適用例を紹介する。
Particle Inspection System for Glass Panel
- 東レエンジニアリング株式会社 エレクトロニクス事業本部 開発センター 2グループ 主任技師
- 松村 淳一 Matsumura Junichi
薄型TVに代表されるFPD(Flat Panel Display)用のガラス基板には、微細なRGBパターンやそのRGB表示を高速にON/OFFするための微細回路パターンが形成されている。これらの微細パターンに異物が付着すると視認性の劣化や回路の動作異常が発生するため、非常に高いクリーン度が要求される。本稿では、クリーン度を実現するための洗浄と密接に関係する「異物検査」技術およびその装置について紹介する。
Photoemission Yield Spectoroscopy in Air for the Cleanliness Evaluation of Electoronic Material Surfaces
- 理研計器株式会社 営業本部 MRD室 課長 博士(工学)
- 中島 嘉之 Nakajima Yoshiyuki
大気中光電子収量分光法の原理を説明し、ITOガラス電極基盤の汚染度測定と大気中での再汚染のモニタリングの例を紹介する。さらに、ハードディスクの潤滑油を汚染物質に見立てた、汚染層の厚さの定量測定についても説明する。大気中光電子収量分光法は、ワークをそのままの状態で、非常に簡単に、短時間で、分子レベルからナノメートル厚の微量汚染を比較的安価な装置で測定することができる大変便利な汚染評価手法である。
Surface Cleanliness Evaluation with Water Contact Angle
- 協和界面科学株式会社 技術部 主任
- 加藤 正和 Kato Masakazu
塗料や接着剤などの塗布面に対するぬれ・親和性を評価する手段の一つに接触角測定がある。表面のわずかな変化に対して敏感に反応する接触角の特長を利用して、水接触角(水と評価面との接触角)から表面の清浄度を簡便に評価する応用例がある。ここでは、接触角の基本的な性質と評価事例を紹介し、最近の話題にも触れる。
Trust Cases with Cleaning Evaluation
- 宮城県産業技術総合センター 材料開発・分析技術部 研究員
- 宮本 達也 Miyanmoto Tatsuya
城県産業技術総合センターに寄せられた洗浄評価に関する事例のうち、1.海水を被った鉄筋の表面の洗浄評価、2.機械部品表面の油分の定量、3.光学部品の洗浄工程改善、と特徴的なものについていくつか紹介する。