1. COP6(気候変動枠組条約第6回締約国会議)の概要 COP6(気候変動枠組条約第6回締約国会議)は、ハーグ(オランダ)で11月13日(月)から24日(金)までの予定で開催されたが、会期を1日延長した上で結論に到らず中断された。会議の概要について、環境庁は11月28日に以下のように発表した。 1.1 評価と概要 (1) 今回会合は、京都議定書の早期発効を目指し、各国が京都議定書を締結可能とするべく、議定書の詳細について合意を得ることが目的であった。今回会合では、これまで行われてきた準備会合の結果を踏まえ、閣僚級の会合において未解決の問題について政治的解決を図る予定であった。 (2) ブロンク議長は、閣僚会合を4つのグループに分け議論の収斂を図ったが、先進国内及び途上国の間で各国の利害が複雑に錯綜し、合意形成は困難を極めた。 (3) 我が国は今回会合の成功に向け、国際的な貢献を図るとの観点から、ブロンク議長の求めに応じ、途上国支援問題に関する先進国間の会議を開催するとともに、川口環境庁長官は、最も対立点の多かった京都メカニズムの小グループの議長を担当し、その議事運営ぶりについては関係者から高い評価を受けた。 (4) 今回会合では、吸収源の取扱い、京都メカニズムについての利用の制限、遵守のあり方が、相互に関連し一体的なものとして交渉が行われた。最終的には合意することは出来なかったが、議論の途中において、各国の立場・考え方の背景がより一層明確化され、相互認識が深まるとともに、先進国間で、各国の意見が合意に非常に近づいたことは、今後の交渉の進展に貢献すると考えられる。特にこれまで妥協が難しいとされてきた捕捉性等について共通の理解に近づく場面や、吸収源について一時我が国の主張に近い形で我が国の吸収量を確保するとともに米国の吸収量を大幅に制限することが可能な方向で意見が収斂に近づく場面もあったことや、アンブレラグループ(日、米、加、豪などの非EU先進国)が途上国への支援策についての具体的な提案を共通ポジションとして提示したことは、今後の交渉の進展に当たり、一つの土台となるものと考えられる。 (5) 最終的には、今回会合で合意が得られず、来年5月〜6月に開催される可能性が高いCOP6再開会合に議論を持ち越す結果となったが、各締約国、各交渉グループのCOP6再開会合の成功に向けた一層の歩み寄りが必要であるとともに、議長の強力かつ合理的なアプローチが必要となろう(注:COP6再開会合は5月21日〜6月1日にボンで開催と決定。) 1.2 各論 今回会合では、吸収源の取扱い、京都メカニズムの利用の制限、遵守のあり方が相互に関連した一体的なものとして交渉が行われ、それに途上国の支援問題が絡み、多次元連立方程式を解くかの如く複雑な交渉となった。 ① 途上国問題 今回の一体交渉の中で最大の焦点のひとつであった資金関連問題につき、アンブレラグループが提示した案について、途上国は、総論としては歓迎する意見が見られたが、細部については柔軟性を欠き、これを受け入れるに至らなかった。具体的には、追加的資金の必要性についてはコンセンサスが得られたものの資金の目的、規模、運営主体等の詳細について合意に至っていない。キャパシティ・ビルディングや適応措置、GEFへの追加的ガイダンスに関しては、多くの点で合意に至ったものの、産油国対策や技術移転専門家グループ等の主要な論点に関する議論は平行線のままであった。 ② 吸収源 今回の一体交渉においては、吸収源の獲得クレジットの制限、自然影響と人為影響の分離が焦点となった。EU及び途上国は、獲得クレジットの規模が大きくなりすぎることや、科学的不確実性等に対する懸念から、吸収源の追加的活動の第一約束期間への適用に対して慎重な姿勢であった。しかし、第一約束期間への適用を前提に、先進国間で、一部の国が過大なクレジットを獲得することにならないよう制限を加えるとともに、省エネルギー対策が進んでいる我が国については目標達成に当たり必要な吸収量を確保するとの方向で妥協の可能性も探られたが、最終的には合意に至らなかった。 ③ 京都メカニズム 今回の一体交渉の中で、捕捉性、クリーン開発メカニズム(CDM)の対象事業の制限、CDM執行理事会の構成等が大きな争点となった。捕捉性(京都メカニズムの利用の制限)については、最終局面において先進国間に歩み寄りの姿勢が見られたが、執行理事会の構成については、最終局面において先進国と途上国との間で意見の収斂が見られなかった。CDMの対象事業については、リストを作成し制限することはしないとする一定の方向性が出た。なお、原子力発電や吸収源事業については対象にすべきでないとの意見もあったが、最終的には意見の一致を見ていない。CDMに関するODAの取扱いについては、我が国の主張に沿って、追加的であればODAが利用できるとの文言がブロンク議長の文書に盛り込まれた。 ④ 遵守制度 今回の一体交渉の中で、遵守委員会、特に、議定書第3条1項の不遵守に対し結果を課すことを決定する執行部の委員構成が最大の焦点のひとつとなった。議長案はこの点に関し、構成自体は地理的配分に基づき選出するとの、これまでのG77及び中国の主張寄りの案(これによれば、途上国が多数を占める)となっていたところ、我が国を含む複数の附属書Ⅰ国が受け入れ得ないとした。 <参考資料> 1) 環境庁:「COP6(気候変動枠組条約第6回締約国会議)評価と概要」(2000.11.28) 2. 南極オゾンホール、急速に回復 気象庁は、本年の南極オゾンホールについて、急速に回復したと12月1日に以下のように発表した。 2.1 概要 2000年の南極オゾンホールは、9月前半に過去最大の規模(面積、破壊量)に達した後、10月以降は急速に規模が縮小し、11月19日に消滅したと見られる。この消滅時期は、1992年以降で最も早い(図1)。 2.2 2000年の南極オゾンホールの状況 2000年の南極オゾンホールの特徴は、1)例年より発達時期が早かった。2)オゾンホールの面積及びオゾン破壊量で過去最大を記録した(図1)。 3)オゾンホールの消滅時期が1992年以降で最も早かった(図2)、ことである。オゾンホールが急速かつ大規模に発達した点については、オゾンホールが出現する前の本年7月の時点で、極域成層圏雲が形成される目安となる-78℃以下の領域が大きく、極域成層圏雲が広い範囲で発生しやすかったことが要因として挙げられる。オゾンホールの消滅が早かった点については、10月以降の成層圏の気温が上昇し、極域成層圏雲を維持する低温の状況が続かなかったことが挙げられる。 <参考資料> 1) 気象庁:「南極オゾンホール、急速に回復〜2000年の南極オゾンホールについて〜」 (2000.12.1) 3. 塩化メチレンの大気環境基準について 環境庁長官の諮問機関である「中央環境審議会第31回大気部会」が去る11月20日に開催された。同会合に同部会環境基準専門委員会が作成した「ジクロロメタン(塩化メチレン)に係る環境基準専門委員会報告」が提出された。同報告書に基づいて、今後の大気汚染物質対策のあり方についてジクロロメタンの取扱いが検討された。その検討結果として、以下のように結論づけられた。 “ジクロロメタンに係る環境基準について:ジクロロメタンに関するヒトの健康影響に係る判定基準と指針について、別添のジクロロメタンに係る環境基準専門委員会報告を了承する。これに基づき、ジクロロメタンに係る大気環境基準設定に当たっての指針値として、低濃度長期暴露による健康影響を未然に防止する観点から年平均値0.15mg/m3以下とし、これが今後とも達成されるよう、引き続き、ジクロロメタンに関する事業者の自主管理による取組を推進するとともに、大気環境の監視を実施していくことが適当である。” 今後は、環境基本法に基づく“大気の汚染に係る環境基準”の設定が進められることになろう(トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンの同基準値はいずれも0.2mg/m3である)。 <参考資料> ・ 環境庁:「中央環境審議会第31回大気部会・関係資料」(2000.11.20) 4. 地球温暖化を防止するための環境税パンフレット「地球の使用料を考える」 環境庁は、このほど地球温暖化を防止するための環境税に関する問題を解説したパンフレット「地球の使用料を考える」を作成した。 さる11月に開催されたCOP6は結論に到達せずに中断され、その継続審議が来年5月〜6月に再開される。環境庁は、この状況に対応して注目されている事業者や国民が環境負荷に応じた経済的負担を行うという考え方(環境税を課するという考え方)について解説する目的で同パンフレットを企画した。 同パンフレットは、環境庁が監修し、社団法人環境情報科学センターが制作している。 <参考資料> ・ 制作・発行/社団法人環境情報科学センター、監修/環境庁地球環境部:「地球の使用料を考える〜子や孫にツケ回しする経済からの変革を目指して」(2000.11)
5. 主要塩素系溶剤統計 当協議会の団体会員であるクロロカーボン衛生協会は、このほど2000年9月までの主要塩素系溶剤の統計を発表した。 同協会のご好意により、同資料の中の工業洗浄剤に係る製品のデータを1991年からの暦年データとともに紹介する(表1)。 <表1>主要塩素系溶剤統計 |
クロロカーボン衛生協会 |
単位:トン/暦年 |
|||||||||
年 |
生産量 |
消費量 |
販売量 |
その他 |
在庫量 |
輸入量 |
輸出量 |
算定消費量 |
対前年比 |
|
トリクロロエチレン |
||||||||||
平 3(91) |
51,679 |
2,613 |
49,642 |
8,805 |
395 |
14,414 |
37,660 |
94.7 |
||
4(92) |
61,080 |
1,826 |
62,077 |
6,700 |
797 |
24,010 |
37,876 |
100.5 |
||
5(93) |
68,416 |
4,619 |
59,097 |
11,400 |
1,037 |
17,035 |
52,418 |
138.4 |
||
6(94) |
77,159 |
2,828 |
76,184 |
9,998 |
2,018 |
25,284 |
53,893 |
102.8 |
||
7(95) |
83,049 |
1,269 |
81,992 |
10,341 |
5,870 |
29,453 |
59,466 |
110.3 |
||
8(96) |
90,350 |
1,349 |
86,097 |
13,790 |
4,915 |
30,881 |
64,384 |
108.3 |
||
9(97) |
79,340 |
11 |
84,540 |
8,835 |
1,918 |
26,702 |
54,556 |
84.7 |
||
10(98) |
68,165 |
14 |
66,594 |
10,962 |
1,101 |
20,590 |
48,676 |
89.2 |
||
11(99) |
75,674 |
6 |
79,723 |
7,287 |
1,357 |
29,505 |
47,526 |
97.6 |
||
12(1-9) |
57,981 |
9 |
59,214 |
6,081 |
1,031 |
19,409 |
39,603 |
118.0 |
||
前年比 |
107.5% |
150.0% |
102.4% |
82.1% |
253.3% |
93.6% |
118.0% |
|||
テトラクロロエチレン |
||||||||||
平 3(91) |
67,139 |
17,563 |
52,488 |
9,123 |
12,117 |
2,672 |
76,584 |
76.1 |
||
4(92) |
63,225 |
16,115 |
51,287 |
7,996 |
4,165 |
4,268 |
63,122 |
82.4 |
||
5(93) |
63,866 |
7,716 |
57,352 |
9,222 |
1,081 |
8,770 |
56,177 |
89.0 |
||
6(94) |
57,777 |
4,457 |
55,459 |
9,776 |
696 |
10,789 |
47,684 |
84.9 |
||
7(95) |
59,934 |
5,339 |
61,454 |
6,160 |
3,044 |
15,047 |
47,931 |
100.5 |
||
8(96) |
45,977 |
620 |
48,614 |
5,532 |
128 |
11,002 |
35,103 |
73.2 |
||
9(97) |
41,149 |
1,685 |
43,580 |
4,872 |
5,033 |
6,251 |
39,931 |
113.7 |
||
10(98) |
33,275 |
323 |
32,482 |
5,555 |
8,058 |
3,642 |
37,691 |
94.4 |
||
11(99) |
29,614 |
5 |
31,375 |
3,790 |
14,765 |
3,948 |
40,431 |
107.3 |
||
12(1-9) |
20,412 |
3 |
20,544 |
3,547 |
10,359 |
993 |
29,778 |
100.0 |
||
前年比 |
92.3% |
75.0% |
86.1% |
93.5% |
96.1% |
31.8% |
100.0% |
|||
塩化メチレン |
||||||||||
平3(91) |
82,259 |
1,526 |
83,319 |
212 |
4,897 |
5,992 |
4,467 |
83,784 |
105.2 |
|
4(92) |
83,519 |
1,162 |
85,643 |
4,015 |
4,428 |
5,964 |
2,229 |
87,254 |
104.1 |
|
5(93) |
93,349 |
654 |
94,497 |
9,578 |
6,814 |
14,963 |
2,998 |
105,314 |
120.7 |
|
6(94) |
88,877 |
430 |
95,844 |
10,641 |
4,201 |
11,435 |
3,435 |
96,877 |
92.0 |
|
7(95) |
96,944 |
333 |
97,670 |
12,430 |
4,630 |
11,953 |
6,783 |
102,065 |
105.6 |
|
8(96) |
100,845 |
231 |
106,490 |
10,792 |
3,992 |
8,714 |
9,943 |
99,616 |
97.6 |
|
9(97) |
101,994 |
260 |
108,432 |
12,747 |
4,128 |
7,886 |
5,787 |
104,093 |
104.5 |
|
10(98) |
97,265 |
217 |
101,022 |
11,510 |
3,512 |
7,189 |
5,398 |
99,056 |
95.2 |
|
11(99) |
84,699 |
224 |
88,711 |
10,040 |
4,486 |
10,980 |
4,733 |
90,946 |
91.8 |
|
12(1-9) |
61,436 |
116 |
64,432 |
6,417 |
6,244 |
13,005 |
3,833 |
70,608 |
103.5 |
|
前年比 |
93.7% |
62.4% |
96.9% |
88.1% |
116.6% |
194.0% |
93.9% |
103.5% |
||
(2000年12月1日) |
||||||||||
(注) 生産量等: 通商産業省大臣官房統計部編、化学工業統計年報 |
||||||||||
消 費: 自工場で他の製品の原材料用、加工用、燃料用として消費されたもの。 |
||||||||||
販 売: 販売を目的として消費者、販売業者等に出荷したもの。 |
||||||||||
そ の 他: ①同一企業内他工場へ出荷したもの、②委託生産の原材料として出荷したもの、 |
||||||||||
③受託生産品を生産業者である委託者に出荷したもの、④自家使用したもの。 |
||||||||||
輸出入量: 大蔵省貿易統計 |
||||||||||
算定消費量=生産量+輸入量-輸出量 |
||||||||||
前 年 比: 1999年同期実績との対比(%)。 |
||||||||||
四塩化炭素: 1999年1月から統計調査廃止。 |
環境保護情報(2000年11月)
|
環境保護情報(2000年10月)
1. 環境報告書の国際的なガイドライン 環境報告書は、企業が事業活動に伴う環境への負荷などを自己点検した報告書として、最近年毎に注目を浴びている。 環境報告書に関する国際組織として、現在「Grobal Reporting Initiative (GRI)」が存在するが、同組織は国際的な環境報告書のガイドラインをかねて検討中であったが、このほどそのガイドラインが「Sustainable Reporting Guideline」として2000年6月に発表された。 同ガイドラインは、企業のパーフォーマンスの環境・社会・経済的側面の関連性に重点を置いた報告の世界標準を目指すもので、昨年の3月に草案が公表され、その後の検討を経て完成されたものである。 ちなみに、GRIはセリーズ(CERES、 Coalition for Environmentally Responsible Economies)国連環境計画(UNEP)と連携して呼びかけ、産業界、政府機関、非政府組織、公認会計士団体等が参加し、全世界で適用可能な持続可能性報告のガイドラインの作成を目指した組織である。セリーズは非営利の非政府組織(NGO)で、本拠地をボストン(米国)に置き、環境団体、社会的責任を持つ投資専門家、機関投資家、労働組合、宗教団体等から構成される。同組織は、環境に責任を持つ企業行動のための原則として「セリーズ原則」(かって「バルディーズ原則」と呼ばれたもの)を作成した。 同日本語訳は「持続可能性報告のガイドライン = 経済的、環境的、社会的パ-フォーマンスを報告する =」として、環境監査研究会より去る8月に発行された。同ガイドラインは、序文、全般的な手引き、報告原則と実務慣行、報告書の内容、付属文書(指標の選択と適用のための情報源、ガイドラインの段階的適用の手引き、検証の手引き、比率指標の手引き)から構成されており、今後の環境報告書の作成に強い影響を与えると見なされている。環境監査委員会は、この日本語訳の紹介を兼ねて「9周年シンポジウム:GRIガイドラインと今後の方向性」を8月26日に、中央大学駿河台記念館(東京都千代田区)で開催した。 <参考資料> 1) 2) 「9周年シンポジウム:GRIガイドラインと今後の方向性」配布資料(2000.8.26)3) 環境監査研究会ホームページhttp://www.apas.co.jp/earg/ 2. 南極オゾンホールは過去最大面積に 気象庁は、本年の南極オゾンホールについて去る9月5日に発表を行い、2000年の南極オゾンホールは急速に発達しつつあり、過去最大の面積であると説明した。以下はその概要である。 2.1 第41次南極地域観測隊の報告 第41次南極極地観測隊から報告されたオゾン観測の結果によれば、昭和基地上空のオゾン全量は、8月8日にオゾンホールの目安の220 m atm-cmの値を観測し、9月2日には今年最低値(146 m atm-cm)を記録した。オゾンの高度分布を見ると、高度 10〜25 kmで著しいオゾン減少が見られ、高度15 km付近ではオゾンホール出現前に比べて70%以上減少していた。なお、エーロゾルの観測では、極域成層圏雲の存在が高度 16 kmと22 km付近に確認された。<図1>オゾンホールの規模の推移 <図2>今年のオゾンホールの規模推定 2.2 米国航空宇宙局の資料 米国航空宇宙局(NASA)から入手した人工衛星による観測資料を解析したところ、9月初めには南極大陸の2倍以上の面積にオゾンホールが広がっている。 2.3 オゾンホールの規模 オゾンホールの規模は現在のところ、大規模に発達した1992年以降の8年間と比較して大きい規模で推移しており、例年になく速いペースで拡大している(図1)。オゾンホールの面積は、衛星による観測が始まって以来、最大を記録している。 2.4 今後の見通し 今後、南極の気象条件に大きな変化がなければ、オゾン破壊量からみた今年のオゾンホールの規模は、8月の南極域の成層圏気温等を用いた推定から、過去最大に迫る規模となることが予測される(図2)。 <参考資料> ・ 気象庁:「(報道発表資料)南極オゾンホール急速に発達、過去最大面積に」(2000.9.5) 3. 「平成11年度PRTRパイロット事業報告書」 環境庁は、PRTRパイロット事業について、平成9、10年度に引き続いて平成11年度に行った結果を、去る8月25日に発表した。その概要の一部は下記の通りである。 <図3>報告状況の推移
3.1 今回のパイロット事業の概要 (1) 対象地域:13都道府県(2) 対象化学物質:人や生態系に対する有害性を有することが判明しており、暴露可能性が高いと考えられる176物質(3) 事業所:8425事業所(4) 平成10年度1年間の対象化学物質の事業所からの大気・水・土壌への排出量、廃棄物に含まれての移動量等3.2 集計結果の概要 (1) データの報告状況:回答率約60%、そのうちの約38%が取り扱い対象事業所。過去2回のデータの比較は図3の通り。 (2) 排出量が多かった化学物質の例 ・ トルエン(溶剤、工業原料等) ・ キシレン類(溶剤、工業原料等) ・ ジクロロメタン(溶剤、金属洗浄剤等) ・ p-ジクロロベンゼン(防虫剤等) ・ 塩化水素(塩酸を除く)(工業原料等) ・ ホルムアルデヒド(工業原料、接着剤、防腐剤等) ・ ベンゼン(工業原料、ガソリンの成分等) (3) 環境媒体別の排出状況 環境排出量の97%は大気へ。次いで公共用水域への排出、土壌への排出は極めて少なかった。 (4) 業種別の排出状況製造業22業種、非製造業16業種の中で、排出量の多いトルエン、キシレン類、ジクロロメタンは概ねどの業種からも排出され、排出量の合計を見ると、機械系製造業と化学系製造業で全体の約7割を占めいている。 3.3 今後の課題 今回のパイロット事業で、PRTR法やPRTR量制度に関する周知、中小規模事業所への周知及び支援、排出量等算出マニュアルの充実、非点源排出源からの排出量の推計のためのデータ収集の必要性などの課題が明らかになった。 3.4 今後の予定 平成12年度は法に基づくPRTR制度に可能な限り実施内容をあわせて、23都道府県・6政令指定都市においてパイロット事業を進めており、平成13年4月からの法に基づくPRTR制度の実施に向けて、課題の検討や必要な準備を進めていく。 <参考資料> 1) 環境庁:「平成11年度PRTRパイロット事業報告書」(2000.8) 2) 関係するホームページhttp://www.eic.or.jp/eanet/prtr
4. 中小企業総合事業団の「化学物質の管理」への対応 中小企業総合事業団はこのほど、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(化学物質管理促進法)と「ダイオキシン類対策特別措置法」を解説する新しいパンフレットを発行した。 同パンフレットは、上記2つの法律について、その概要と必要な関連情報を解説しており、全国各地の問い合わせ先も紹介している。 事業団は、化学物質管理促進法等の施行に対応して、講習会(「化学物質管理促進法対応講習会」) を全国的に企画しており、その期日、会場等の情報は、それぞれの開催地の中小企業地域情報センターが窓口となっている。 <参考資料> 1) 中小企業総合事業団:「化学物質の管理について」(2000.10) 2) 中小企業総合事業団:「化学物質管理促進法対応講習会テキスト」A4/89p(平成12年度) 3) 中小企業総合事業団:「化学物質管理促進法対応講習会テキスト(資料編)」A4/104p 4) 中小企業総合事業団:「ダイオキシン類対策特別措置法対応講習会テキスト」A4/814p (平成12年度) 5) (社)日本化学工業協会、日本レスポンシブル・ケア協議会:「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善促進の進め方」A4/159p (2000年4月) 6) 関係するホームページhttp://www.jasmec.go.jp/kankyo/index.htm |
環境保護情報(2000年9月)
|
環境保護情報(2000年8月)
1.「平成11年度オゾン層等監視報告書」 環境庁は、毎年「オゾン層等の監視結果に関する年次報告書」を発表しているが、その平成11年度の報告書がさる7月14日に発表された。その主な内容は、 ?オゾン層等の状況、?特定物質の大気中濃度、?太陽紫外光の状況である。以下は、その報告書の抜粋である。 1.1 オゾン層等の状況 (1) 南極オゾンホール 1999年の南極オゾンホールは、過去最大であった1998年より若干小さいものの、規模の大きい状態で推移し、12月下旬まで観測され、過去最も遅い消滅であった。 オゾンホールの3要素である ?面積、?最低オゾン全量、?オゾン破壊量の1979年以来の経年変化は図1の通りである。図1.オゾンホールの三要素の経年変化(1979〜1999年) 備考:上段から順に、オゾンホールの面積、最低オゾン全量、オゾン破壊量の年極値の経年変化。オゾンホール3要素は、南緯45度以南で定義され、面積は、オゾン全量が220m atm-cm以下の領域の面積、最低オゾン全量は、オゾン全量の最低値、オゾン破壊量はオゾン全量を300m atm-cm日本維持するために補充を要するオゾンの質量。NASA提供のTOMSデータをドブソン分光光度計による観測値と比較検討の上作成。1995年についてはTOVSのデータを基に求めた。 また、オゾンホール消滅時期の推移は図2に示されている。 日本上空のオゾン全量は、札幌では平年並みか平年より少なく、つくば、鹿児島、那覇では年の全般に平年より少なく、年の後半に平年より多かった。 日本付近はオゾン全量の南北差が大きく、北ほど季節変化が大きい。そのオゾン全量の年平均値の推移は、図3の如くである。 図3.日本上空のオゾン全量の年平均値の推移(1958〜1999年) (3)今後の予測 モントリオール議定書のアセスメント・パネル(1998年WMO /UNEP科学アセスメント・パネル報告書)によると、1997年の改正モントリオール議定書によるスケジュールに基づく規制をすべての締約国が遵守した場合、a. 成層圏中の塩素及び臭素濃度の合計は、2000年前にピークに達する。b.オゾン層破壊のピークは、2020年までに訪れる。 c.成層圏中のオゾン層破壊物質の濃度は、2050年までに1980年以前のレベルに戻る。 d.オゾン層破壊にとって重要なその他の気体(一酸化二窒素、メタン、水蒸気等)の将来の増加又は減少及び気候変動がオゾン層の回復に影響を及ぼす。 と予測されている。 1.2 特定物質の大気中濃度 (1) CFC及び1,1,1-トリクロロエタン特定物質(モントリオール議定書で規制されているオゾン層破壊物質)の大気中濃度については、東京大学が1979年から北海道で継続して測定しているデータと、南極昭和基地のデータが有名である。 北海道では、 CFC-11、CFC-12、CFC-113の濃度は最近は減少に転じているほか、大気中寿命の短い1,1,1-トリクロロエタンについては、すでに減少傾向を示している(図4参照)。これらは1989年7月から開始されたモントリオール議定書に基づく規制の効果と考えられる。図4.北半球中緯度(北海道)及び南半球(南極昭和基地)における特定フロン等ハロカーボン類の大気中平均濃度の経年変化 備考:北半球中緯度(北海道:N)及び南半球(南極昭和基地:S) (2) HCFC HCFC-22 、HCFC-141b、HFC-134aについては、北海道における大気中濃度は増加の傾向にある。 (3) 今後の課題現在の特定物質の大気中濃度は、例えば、南極域でオゾンホールが観測される以前の1970年代に比べてかなり高い状況にあるので、成層圏オゾン層の状況が改善されるためには、これら物質の濃度が大幅に低下することが必要である。 1.3 太陽紫外光の状況成層圏オゾン層の破壊に伴い、有害な紫外光(UV -B)の地上への照射量が増大した場合には、皮膚がんや白内障の増加、さらに免疫抑制などの人の健康への影響のほか、陸生、水生生態系への影響や大気汚染の増加が懸念されるものの、UV-B量の変化の傾向を把握するためには、なおデータの蓄積が必要な状況にある。日本においては、国内4ヶ所におけるUV -B量の観測開始以来、累年平均値に対して著しく大きい変化は見られない。またオゾン全量の変化に敏感な波長300nmの紫外光についても、明らかな増加の傾向は見られない。しかしながら、UV-B量の観測値はオゾン全量のほか、天候(雲量)や大気混濁度等の影響を受けることに留意する必要がある。なお、1999年の国内4ヶ所における晴れた日のオゾン全量とUV-B量の観測結果に基づく解析によると、太陽高度角が同じであれば、オゾン全量の減少に伴いUV-Bの地上照射量が増加することが確認されている。したがって、1970年代に比べて、オゾン全量が明らかに減少している地域においては、UV-B量は増加しているものと考えられる。<参考資料> ・環境庁:「平成11年度オゾン層等の監視結果 に関する年次報告書」(2000.7)2.平成12年度PRTRパイロット事業 通商産業省と環境庁は、「PRTRパイロット事業」を過去に、平成9年度と10年度に行ったが、今回その第3回の計画を発表した。 PRTRに関する法制化は、すでに1999年7月13日に公布された「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(化学物質管理促進法)で行われている。今回のパイロット事業は、同法律に基づくPRTR制度を円滑に導入・実施するための準備の一環として行われるものである。 2.1 調査の概要今回の調査の概要は以下の通りである。 (1) 調査の構成a. 事業所に対する排出・移動量調査b.事業所に対するアンケート調査 c.事業所に対するヒアリング調査 d.非点源発生源からの排出量の推計に関する 調査 (2) 対象地域調査実施自治体(30都道府県市)内の一部または全地域 (3) 対象化学物質「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律施行令」第1条に定める第1種指定化学物質354物質。 (4)対象事業所以下の要件のうち、 ?と?をともに満たすと考えられる事業所に対し、調査実施自治体から調査資料を送付する。調査資料を送付された事業所のうち、?の要件を満たす事業所は事業者・事業所の概要及び排出量・移動量の報告を行い、?を満たさない事業所は事業者・事業所の概要のみについて報告を行う。a.対象業種:施行令第3条に示す業種 b.従業員数:常用雇用者21人以上の事業所 c.取扱量:次のうちいずれかに該当すること。 a)いずれかの第一種指定定化学物質の年間取扱量が1t以上ある事業所。 b)いずれかの特定第一種指定定化学物質の年間取扱量が0.5t以上である事業所。 c)・・f)略 (5) アンケート調査 対象事業所にに対し、制度実施にあたっての要望や課題を把握するため、アンケート調査を実施する。 <6> ヒアリング調査事業者ニーズ等の把握及び報告データの検証のため、調査実施自治体が、対象事業所の一部に対してヒアリング調査を行う。 2.2 スケジュール7月 事業所への資料送付 8-9月 事業所報告の締め切り 9-10月頃 データ集計 ヒアリング調査の実施 12月(予定) 報告書作成 <参考資料> ・環境庁:「平成12年度PRTRパイロット事 業の実施について」 (2000.7.27)3.オゾン層保護対策推進月間行事 「オゾン層保護対策推進月間」は、1989年7月に、モントリオール議定書の規制措置の開始に併せて初めて企画、実施された。当時は「特定フロン使用合理化推進月間」という名称で、主催は特定フロン使用合理化推進協議会、後援は、通産省、環境庁、運輸省であった。 現在は、「オゾン層保護対策推進月間」として、オゾン層保護対策産業協議会が主催し、通産省、環境庁、運輸省、農水省、建設省が後援している。 開催月は、1995年より9月に変更になったが、それは、国際連合が、9月16日をモントリオール議定書が署名された日(1997年)であることを記念して、1995年より国際デー「オゾン層保護のための国際デー」としたことに因んでいる(現在、国際デーは42)。 本年は、写真1のポスターのごとく、“地球の生命は、やさしい光に育まれています”をスローガンとして、以下の行事が計画されている。 <写真1>平成12年度オゾン層保護対策推進月 (1) する協力要請会議」(9月1日)(2) 「第3回オゾン層保護大賞表彰式」(9月1日)(3) 「オゾン層保護パネル展示」(9月中、於:通 商産業省本館1Fロビー)(4) 「オゾン層保護対策月間講習会」(各地方通商産業局主催、9月中、全10回)4.第20回モントリオール議定書公開作業部会 同会合は、7月11日?13日にジュネーブで開催された。通商産業省オゾン層保護対策室作成の結果概要よりトピクスを以下に抜粋する。 (1)n-プロピルブロマイド(n-PB) 技術・経済アセスメントパネルより、積極的なマーケティングにより予想以上に売り上げが伸びていること、新たな潜在マーケットの推計や排出の地理的分布を科学アセスメントパネルに提供することが報告された。また、科学アセスメントパネルより、n-PBのような大気寿命の短い物質のオゾン破壊係数は単一でなく、地域、季節により異なること、技術・経済アセスメントパネルからの情報提供を得て影響を推計することが報告された。各国からは、n-PBの生産の最小化及び代替物質開発の努力、技術・経済アセスメントパネルによる検討の促進の必要性について言及があった。 (2)HCFCの規制強化に関するEC提案の検討 HCFCの規制強化に関するEC提案(表1)について検討が行われた。極めて多数の途上国が、コペンハーゲン改正の際の合意を覆すものであること、北京介意の際の合意とも反すること(注:途上国のHCFCの生産規制が2016年とされたことを指すと考えられる。)、頻繁な規制強化は信頼を損なうこと、代替物質・技術の利用可能性が不明確であること、多数国間基金の援助でこれまでHCFCへの転換を進めてきていること等を理由に強く反対した。一方、EC提案を支持する発言は、英、スイス、チェコに限られた。 日本は、提案の趣旨は理解するものの、CFC全廃前にHCFCの規制を強化することになりCFCの全廃に影響を及ぼさないか、代替技術・物質の利用可能性の見通しはどうかについて明確にすることが必要との主張を行った。米国は、途上国の懸念、規制強化の環境上の効果等を含めた検討が必要であるとの意見であった。 最終的には、EC提案の内容を条文化した案と途上国側の改正不要との案の双方を用意し、締約国会合で議論することとなった。 表1 途上国でのHCFC規制案
※ 現在のところは 2006年にそうとうするのが2015年 2007年にそうとうするのが2016年 となっている。 (3)次回締約国会合 第12回締約国会合は、ブルキナ・ファソにおいて12月11日から18日まで開催される予定。 <参考資料> ・通産省オゾン層保護対策室:「第20回モント リオール議定書締約国会合作業部会結果概要」 (2000.7.26) |
環境保護情報(2000年7月)
1.「平成12年版環境白書」 環境庁の編集になる「平成12年版環境白書」が6月に発表された 1)。同白書は、1990年版から「総説」と「各論」の2分冊が出版されており、本年の「総説」のサブタイトルは“「環境の世紀」に向けた足下からの変革を目指して”とされている。同書は、大量生産・大量消費・大量廃棄というこれまでの経済社会システムに根ざした地球環境問題の根本的な解決のために、社会全体のあり方の見直しを求め、環境への負荷が少ない循環型社会を築くことが必要であるとしている。 同白書には現在日本で問題となる環境問題を総合的に取り上げられており、工業洗浄現場に関係する課題はこれらの問題を無視して検討することはできない。同書で取り上げられているトピクスで工業洗浄に関係するものを拾い上げると表1のごとく整理することができよう(表1:工業洗浄に関係する環境問題 = 平成12年版環境白書を中心に =)。次号より同白書で取り上げられているトピクスのいくつかを紹介する予定である。 <参考資料> ・環境庁編:「平成12年版環境白書(総説)、(各 論)」㈱ぎょうせい (2000.6)表1 工業洗浄に関係する環境問題 = 平成12年版環境白書を中心に =
2.循環型社会形成推進基本法 日本政府は、従来から緊急課題である廃棄物・リサイクル対策について検討を重ねていたが、昨年10月4日の与党政策合意において、「平成12年度を“循環型社会元年”と位置づけ、基本的枠組みとしての法制定を図る」こととした。この合意を受けた検討作業により「循環型社会形成推進基本法案」が作成され、先の国会で環境問題に関連する他の5つの新法案及び改正法案と共に成立した(表2:循環型社会形成推進基本法とそれに関係する法律)。 (1) 同法公布の経緯 廃棄物・リサイクル対策については、廃棄物処理法の改正、各種リサイクル法の制定などによって拡充・整備が図られてきているが、わが国では次のような課題が残されている。 ・廃棄物の発生量が多くなりつつある。 ・廃棄物処理施設の立地が困難である。 ・不法投棄が増大しつつある。 これらの問題の解決のためには、「大量生産・大量消費・大量廃棄」型の経済社会から脱却し、生産から流通、消費、廃棄に至るまで物質の効率的な利用やリサイクルを進めることにより、資源の消費が抑制され、環境への負荷が少ない「循環型社会」を形成することが急務であるとして本法の成立をみた。 (2) 同法の概要 本法は、このような状況を踏まえ、循環型社会の形成を推進する基本的な枠組みをつくるためのもので、 ・廃棄物・リサイクル対策を総合的かつ計画的に推進するための基盤の確立 ・個別の廃棄物・リサイクル関係法律の整備 と相まって、循環型社会の形成に向け実効ある取組の推進を図るものとされている。 今国会で本法と一体的に整備された法律は以下の通りである。 ・廃棄物処理関係 ①廃棄物処理法の改正 ・リサイクル関係 ②再生資源利用促進法の改正 ③建設資材リサイクル法 ④食品リサイクル法 ⑤グリーン購入法 (3) 同法の概要 ・循環型社会の定義 同法では、循環型社会を定義して、“製品等が廃棄物等となることが抑制され、並びに製品等が循環資源となった場合においてはこれについて適正に循環的な利用が行われることが促進され、及び循環的な利用が行われない循環資源については適正な処分が確保され、もって天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される社会をいう”とうたわれている。 ・“循環資源”の定義 ここで、“循環資源”という言葉があるが、法の対象となる物が有価でも無価でも“廃棄物等”と呼ぶのに対して、その廃棄物等の中で有用なものを“循環資源”と位置づけて、その循環的な利用を促進するものである。 ・廃棄物処理の優先順位 本法では、廃棄物等の処理の“優先順位”を以下のように初めて法定化している。 ①発生抑制、②再使用、③再生利用、 ④熱回収、⑤適正処分 ・役割分担 循環型社会の形成に向け、国、地方公共団体、事業者及び国民が全体で取り組んでいくため、これらの主体の責務を明確にしている。特に、事業者・国民の「排出者責任」を明確にし、生産者が自ら生産する製品等について使用され廃棄物となった後まで一定の責任を負う“拡大生産者責任”の一般原則を確立した。 ・「循環型社会形成推進基本計画」 政府は、循環型社会の形成を総合的・計画的に進めるために、“循環型社会形成推進基本計画”を次のような仕組みで策定する。 ①原案は、中央環境審議会が意見を述べる指針に即して、環境大臣が策定。 ②計画の策定に当たっては、中央環境審議会の意見を聴取。 ③計画は、政府一丸となった取組を確保するため、関係大臣と協議し、閣議決定により策定。 ④計画の閣議決定があったときは、これを国会に報告。 ⑤計画の策定期限、5年ごとの見直しを明記 ⑥国の他の計画は、循環型社会形成推進基本計画を基本とする。 ・國の施策の明示 循環型社会の形成のための以下の国の施策を明示している。 ①廃棄物等の発生抑制のための措置 ②“排出者責任”の徹底のための規制等の措置 ③“拡大生産者責任”を踏まえた措置(製品等の引き取り・循環的な利用の実施、製品等に関する事前評価) ④再生品の使用の促進 ⑤環境の保全上の支障が生じる場合、原因事業者にその原状回復等の費用を負担させる措置 <参考資料> ・環境庁:「循環型社会形成推進基本法案につい |